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アフガニスタン・パキスタン人道支援 プログラムアーカイブ

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アフガニスタン・パキスタン人道支援 プログラムアーカイブ

アフガニスタン・パキスタン人道支援

現地の声

教科書以外の本も読めるようになって楽しみが増えた

AAR Japan[難民を助ける会]は、ジャパン・プラットフォームの助成金を得て、2011年、パキスタン北西部のハイバル・パフトゥンハー州ノウシェラ郡で、アフガニスタン難民、および難民を受け入れている地域のパキスタン住民を対象に、教育および衛生環境の改善支援を行っています。小学校では教室が不足しているため、子どもたちは屋外で授業を受けなくてはならず、1つの教室でいくつかの授業を同時に行うことが日常となっています。そこで、不足していた教室やトイレを新しく建て、図書室や浄水フィルター付きの井戸、車いす用のスロープなどを設置し、子どもたちの教育に必要な環境を整えています。

通常の授業を行う教室さえ不足していることもあり、ほとんどの学校には図書室がありません。また、学校に図書が備えつけられていても、辞書や教科書の副読本など種類も限られていました。そこで、新たに図書室を建設するのと合わせて、先生方へのアンケートをもとに、物語や道徳、科学、算数、英語やその他の一般教養など、幅広い分野の図書を提供しました。また、自由時間に遊ぶ時の選択肢が増えるように、クリケットやバドミントンなどのスポーツ用具や縄跳び遊び用の縄などの遊具も提供しました。学校に図書室ができたことで、様々な種類の本に触れる機会が増えたこと、スポーツ用具や遊具の種類が増えたことで、学校での休み時間の過ごし方や放課後の過ごし方に変化が出てきている様子です。今回は2013年に支援した学校でインタビューを行い、児童とその親族、図書室担当の先生に話しを伺いました。

2013年支援対象校の公立小学校サイード・アクバル・コロナは旧校舎の隣に土地の提供を受けて新校舎を建築しました 旧校舎では教室が足りずに中庭で授業を行っており、図書室もありませんでした
2013年支援対象校の公立小学校サイード・アクバル・コロナは旧校舎の隣に土地の提供を受けて新校舎を建築しました(左)。
旧校舎では教室が足りずに中庭で授業を行っており、図書室もありませんでした(右)。

サイード・アクバル・コロナ小学校の4年生、ヌール・ウラ君(11歳)

ヌール・ウラ君は8人兄妹の次男です。家は学校のすぐ近くにあり、父親が近くの市場で果物を売って生計を立てています。学校での自由時間にはクリケットや競争などのスポーツや地元のゲームを楽しんだりしていましたが、本を読む習慣は無かったとのこと。帰宅した後には学校の宿題を済ませた後は近所のマドラサ(宗教学校)を訪れて宗教教育を受けることもあったようですが、その他の自由時間にはTVを観たりクリケットをしたりで時間が終わっていたということです。

現在の図書室の様子
現在の図書室の様子

「学校に図書室ができて何か変わったことはありますか?」

ヌール・ウラ君:図書室ができて本が手に入る ようになったので、本を読む機会が増えた。天気が良くて日が照っている時には外でサッカーをしたりクリケットをしたりして遊ぶことが多いけれど、それ以外は読書をすることが多くなったね。一般教養や宗教の本も好きだけれど、物語が一番好き。図書室で借りた本を家に持って帰って幼い兄妹姉妹のために物語を読んで聞かせることもあるんだ。

「家庭での様子はどうですか?」

サイーフ・ウル・アクバルさん(ヌール・ウラ君の叔父):本を読むようになって得た知識を他の兄妹にも話して聞かせる ようになっています。子どもは魔法の話のような物語やジョークの本が大好きで、好んで読んでいます。前にはそのような本はなかなか手に入りませんでした。でも学校に図書室ができたおかげでそれらの本が手に入るよう になり、家でも他の兄妹姉妹や近所の子どもたちも交えて一緒に本を読むようになって きました。

図書室でインタビューに答えるヌール・ウラ君(左から2人)と叔父のサイーフ・ウル・アクバルさん(左端)。右は AAR現地スタッフ。机の上にあるのは、本とスポーツ用具の貸し出し帳。
図書室でインタビューに答えるヌール・ウラ君(左から2人)と叔父のサイーフ・ウル・アクバルさん(左端)。
右は AAR現地スタッフ。机の上にあるのは、本とスポーツ用具の貸し出し帳。

「家で兄妹姉妹に本を読み聞かせている」と答えてくれたヌール・ウラくん(左)。
「家で兄妹姉妹に本を読み聞かせている」と答えてくれたヌール・ウラくん(左)。

「学校の図書室の様子は?」

サミ・ウル・ラフマンさん(図書室担当の教師):図書もスポーツ用品についても様々な種類を揃えて貰えたおかげで、室内で本を読んだり外でスポーツを楽しんだり、子どもたちが自由時間にできることの幅が広がりました。図書の中では物語、ジョークの本、宗教の本、一般教養の本の順に人気があります。スポーツ用具ではサッカーやクリケット、バドミントンや縄跳びの縄ですね。支援で教室や図書室が新しくなったおかげもあってか、入学を希望する児童も増えてきたので、もっと図書室の机やいすを増やしたいですね。

インタビューに答えるサミ・ウル・ラフマンさん(左)。
インタビューに答えるサミ・ウル・ラフマンさん(左)。

これまで教科書や副読本、辞書以外の本に触れる機会が少なかった子どもたちでしたが、図書室の支援で様々な種類の本を手にすることができて興味が広がっていること、そして本を持ち帰って自宅でも兄妹姉妹と一緒に本を読む機会ができたという話は嬉しいものです。
私たちは、今後も子どもたちの健全な成長に役立つ教育支援を通して、紛争の絶えない地域においても平和な国作りの種を蒔いていきたいと思います。

新校舎の中庭でバドミントン遊びをする児童
新校舎の中庭でバドミントン遊びをする児童

2015年3月15日
AAR Japan [難民を助ける会]