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アフガニスタン・パキスタン人道支援 プログラムアーカイブ

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アフガニスタン・パキスタン人道支援 プログラムアーカイブ

アフガニスタン・パキスタン人道支援

現地の声

学校で学んだことを家族に伝えよう

パキスタンは隣国アフガニスタンからの難民を世界で最も多く受け入れており、その数は約160万人にのぼります。難民の多くは北西部の難民キャンプやその周辺地域で暮らしていますが、それらの地域はインフラも整備されておらず、困難な生活を余儀なくされています。

AAR Japan[難民を助ける会]は、ジャパンプラットフォームからの助成金を得て、2011年から、パキスタン北西部のハイバル・パフトゥンハー州ノウシェラ郡で、アフガニスタン難民、その受け入れ地域のパキスタン住民を対象に、教育および衛生環境の改善支援を行っています。その支援活動の一つとして、支援対象校の児童たちに衛生教育を行ってきました。高学年の児童たちは、学校の授業の一環として、正しい手の洗い方や歯の磨き方といった衛生に関することを学びます。さらにその児童の中から代表(キッズプロモーター)が選ばれ、学校で開催される衛生キッズコンテストにおいて授業で学んだ成果を披露するとともに、低学年の児童に衛生に関する知識を伝えます。

今回は、2012年に支援した学校で衛生教育を受けた児童とその家族にインタビューを行いましたので、その声をお届けします。

グーラムラスールコロナ小学校の4年生、ザヒブ君(10歳)一家

ザヒブ君は、5人兄弟の末っ子。お父さんから、2012年に学校で衛生教育を受けてから、兄弟に衛生について教えたり、自ら手洗いや歯磨きをしたりするようになったということを聞き、詳しく聞いてみました。

「どうして家族に教えようと思ったの?」

ザヒブ君:学校で衛生教育を受けた時に先生が言ったんだ。これから、君たち一人一人がキッズリーダーだ。家に帰ったら、家族のみんなに、今習ったことを教えてあげなさいって。だから、僕、家に帰ったら一番初めに、お母さんに手洗いの方法を教えたんだ。このポスター(支援事業で児童たちに配ったもの)を見せて、歯磨きの仕方とね、それから飲み水についても話をした。僕、お母さんの役に立つことを教えることができて、とってもうれしかった。朝起きたら毎日歯をみがくこと、ご飯を作る前とトイレに行った後は、必ず手を洗わなきゃいけないっていうことも教えたんだ。

ザヒブ君のお父さん:(笑いながら)ご飯を食べる前に妻が手を洗わなかったら、手を洗うまでは食べないなんて言ってね。

「家族に教えてどう思った?」

ザヒブ君:うん、本当に教えてよかったと思う。

「どうしてかな?」

ザヒブ君:だって、今まで石鹸を使って手を洗ったり、飲み水を安全にしてから飲むことが大事で、そうしなかったら、病気になったりするって知らなかった。でも、僕はお母さんにそれを教えてあげて、お母さんが病気にならないようにした。とても役立てたと思う。

「今も誰かに衛生について教えていたりする?」

ザヒブ君:僕ね、家族だけじゃなくて、一緒に住んでいるいとこのナビでしょ、ムンズール、アスファダヤール、アリ、ワカス、アザム、マスカン、ザルに、イード休暇で僕の家に遊びに来た他の村の人にも、教えているんだ。僕たちみんな、ご飯を食べる前には手を洗っているし、ちゃんと石鹸を使っているよ。ばい菌がつかないように、そして病気にならないようにね。

ザヒブ君のお兄さん:ザヒブは、手洗いや歯磨き、爪切りの大切さを実践しながら教えてくれたよ。(笑いながら)結構、わかりやすかった。だから、今は僕も定期的に爪切りしているよ。

ザヒブ君のお父さん:ザヒブが、兄弟達や親戚、妻に教えているのをよく見かけたよ。誇らしいね。妻も自分の息子に教えられて喜んでいたよ。私も毎週、道路の排水溝のそうじをしているよ。妻にも、台所をきれいにするように伝えている。家族できれいにすることが習慣になるようにね。

「衛生に関して、何か変わった点とかありますか?」

ザヒブ君のお父さん:今思えば、昔は子ども達がよく下痢になっていたのに、以前に比べて減ったように思う。それから、うちには3つしかトイレがなかったんだけど(親戚合わせて20人以上が同じ敷地に住んでいる)、みんなのために、トイレを3つ新しく作って今は6つあるよ。私は、日本の人達にお礼を言わなきゃいけない。君たちが来てくれたおかげで、私達自身そして生活もこんなに変わった。本当に感謝している。

こういった声が、キッズリーダーとその家族から届いています。
学校で子ども達に教えたことが、家族へ、そして地域へと広がっていく。今も紛争やテロ事件が絶えないアフガニスタンとパキスタンですが、私達は、今後も子ども達に健全且つ平等な教育支援を通して、平和な国作りの種を蒔いていきたいと思います。

ザヒブ君(中央前)と父親(後列中央)。同居している親族たちと一緒に。
ザヒブ君(中央前)と父親(後列中央)。同居している親族たちと一緒に。

2014年9月1日
難民を助ける会[AAR Japan]